火入れと「生酒」の関係

火入れと「生酒」の関係火入れをしていない酒は「生酒」「無濾過生原酒」などとして人気がある。

たしかにそういう「生」系の酒はみずみずしく、香りも若やいで華やかであり、また残存する微発泡感はのど越しもよく、それなりの商品価値がある。

しかし、一般にもたれている次のようなイメージはほとんど誤りである。

生酒は、火入れをしていないので、それだけ新鮮さが保たれている。

火入れは、酒の若さを失わせる工程である。

生酒は、蔵で飲めるしぼりたての新酒の味である。

火入れをしなければ劣化が早く、すぐに生老ね香を発する。

正しい保存管理をしていない飲食店などでは、劣化した酒を5℃前後まで冷やし、冷たさでわからないようにして出しているところも多い。

ゆえに火入れとは、かえってその酒の新鮮さを長く保つために行なう工程であるといえる。

「生」系の酒の味は荒々しく、貯蔵・熟成を経た酒が持つ旨みやまろみ、深みに欠けるため、おおざっぱな言い方をすれば、筋金入りの愛飲家のあいだでは一般に火入れの工程を経た酒の方が好まれる傾向がある。

刺身に代表される「生」の食文化圏である日本では、新鮮であることが抜きん出て好む。
update:2010年02月21日